アマゾンにはない「武器」で戦う
グーグルの戦略

 グーグルの検索機能が開発者向けのカンファレンスで取り上げられることは、過去にはほとんどありませんでした。検索機能は完成されたプロダクトで、ユーザーが直接使うものという位置付けで、開発者が何か手を加える部分があまりなかったからです。

 SEO(検索エンジン最適化)やAMP(Accelerated Mobile Pages:コンテンツを高速に表示させるフレームワーク)など、適切なウェブページの作り方を紹介するための開発者向け情報提供は、これまでにもありました。しかし、今年のカンファレンスでは、開発者のための検索対応の手法がこれまでになく大きく取り上げられました。

 具体的には「How-to(ハウツー)」コンテンツ、「FAQ」コンテンツの検索結果表示がそれに当たります。ハウツーについては、料理の作り方を紹介するコンテンツの例が紹介されました。

エンジニア向けの検索
グーグルの開発者向けサイト「コードラボ」でも、検索対応に関する手法がわかりやすく解説されている
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 これは、あるフォーマットに従ってウェブページを作成すれば、検索結果の上部に「レシピページ」として、写真や調理時間、カロリーなどが分かりやすく表示されるというものです。このフォーマットは、グーグルも中心的な役割を担うSchema.orgという共同コミュニティ活動が推奨する構造化データです。

 さらに注目したいのは、この検索結果がスマートスピーカーのグーグルホームや、スマートディスプレイの「Google Nest Hub(グーグルネストハブ)」にも同時に対応しているという点です。「OKグーグル、アップルパイの作り方を教えて」と呼びかければ、該当するコンテンツが読み上げられたり、表示されたりするのです。ここにグーグルの意図を垣間見ることができます。

 開発者に対して単に「グーグルアシスタントに対応したコンテンツを作ってください」とお願いしても、先行して普及するアマゾンのAIアシスタントのための開発が優先されてしまうでしょう。しかし「今あるコンテンツにフォーマットを追加すれば、グーグル検索の結果にも表示されますよ」となれば、誰もが対応するようになります。