人手不足による労働市場の「超売り手市場化」や業界全体の構造不況化などによって、企業間だけでなく業種間にも給料格差がある。そこで、戦後最長記録を更新したとみられる景気拡大期において、「初任給」と「手取り収入」の増減に業種間でどんな差が出たのかを探った。(ダイヤモンド編集部副編集長 鈴木崇久)
業種ごとの「給料格差」を
統計データで浮き彫りにする
就職や転職など、仕事を選ぶ上で給料は多くの人にとって意思決定における重要な要素の一つだろう。その給料の水準や伸び率は企業ごとに千差万別だが、「業種」というくくりで見たときに大きなトレンドがあることも事実だ。
特に最近は、人口減少に端を発する人手不足によって就職・転職活動が求職者優位の「超売り手市場」と化していたり、その対応策として人工知能(AI)やITツール、機械などによる自動化を進めていたりする。また、金融業界など構造不況に陥っているとされる業種もある。
こうした事情や取り組みには業種によって濃淡があり、そのことが業種ごとの給料格差という大きなトレンドとして表れるのだ。
そこで今回ダイヤモンド編集部では、戦後最長記録を更新したとみられる、2012年12月から始まった景気拡大期での「初任給」の上昇率と「手取り収入」の増減率を業種ごとに算出。二つのランキングを作成した。
どんな業種で働く人が景気拡大の恩恵を受けることができたのか、ランキングを見ていこう。