また、キャッシュレス決済時のポイント還元は、加盟する中小商店を中心に最高5%の還元が行われますが、2019年10月1日から2020年6月いっぱいまでの期間限定となります。「PayPay」「LINE Pay」などのスマホQRコード決済を使えばさらにポイントが上乗せされますが、やはり時期が限定されている。そうなると消費者は、「期限までにポイントを使い切らなくては」と焦り、本来必要のないものまで買って、逆に支出が増えてしまうことになりかねないため、注意が必要です。

 さらに、キャッシュレス決済のためだけに新しくクレジットカードをつくったりすると、ポイントは貯まってもカードの年会費をとられたりして、いつの間にか差し引きで損をしているケースも出てきそうです。このように、ポイントは損得を正確に判断することが難しいものだということを、覚えておくほうがよいでしょう。

不透明要因が多いこの時代、
最も有効な生活防衛策とは

――軽減税率やポイント還元も効果は限定的のようですが、そもそもの増税が家計に与えるマイナスの影響は大きいと見られます。ただでさえ将来が不透明な時代、これから私たちは、どのような生活防衛策を考えていけばよいでしょうか。

 景気後退懸念により、これから給料は増えないか、減っていく可能性もある。また、働き方改革の名の下に残業代がどんどん減らされていくという、社会構造面での向かい風もあります。そこに、今回の増税です。こうした不透明な時代の生活防衛策としては、とにかく「お金を使わないこと」が一番。私はそれをバブル崩壊以降、ずっと唱え続けているのです。

 なぜかというと、日本はいまだにデフレから脱却し切れていないからです。デフレ下ではお金の価値が上がるため、事実上、借金が増えていきます。だからできるだけ借金をせず、お金も使わず、とにかく「現金を貯めていく」ことが肝要です。

 日本企業の多くは、幾多の不況に見舞われるなかで内部留保を厚くしていき、そのお陰で今、財務がピカピカになっています。家庭の防衛もそれと同じ理屈なのですが、多くの人がそれに気づいていないことは、危機的な状況といえます。

――貯めるだけでなく、お金を増やすために株式投資などをしてはいけないのでしょうか。

 投資も無理にやる必要はありません。実は私も株式投資が好きなのですが、今までの経験から言えることは、「個別株も投資信託も、一般人がやるべきものではない」ということです。