ネットフリックスネットフリックスの「運命を左右する」秋がやって来る Photo by Yasuo Katatae

米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の注目記事の要点を短時間でまとめ読みできてしまう「WSJ3分解説」。今回は、「ネットフリックス」や「アップルTV」、「アマゾン・プライムビデオ」などの、有料動画配信サービスの熾烈な争いを取り上げます。争いの鍵を握るのは、高品質な「オリジナル作品」にありそうです。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

苦戦する動画の王者
ネットフリックス

 インターネットで映画やドラマ、ドキュメンタリーを有料配信するネットフリックス。世界190カ国以上でサービスを展開し、有料会員数は1億5000万人以上を抱える世界最大の動画配信企業です。

 2007年にいち早くネット配信事業をスタートさせ、映像コンテンツの配信という市場を切り開いてきたパイオニアです。

 日本では15年にサービスを開始。わずか4年で約300万人の会員を獲得し、会員増加の勢いはこの1年でさらに急加速しているといわれています。

 競合サービスとして、同じく米国発の「Hulu(フールー)」や、アマゾン・ドット・コムがプライム会員(有料会員)向けに提供する「アマゾンプライム・ビデオ」の存在がありましたが、ネットフリックスは市場の先行者として有利に会員獲得競争を進めてきました。

 ところが今、戦いの潮目は二つの要因で大きく変わろうとしています。

 その要因の一つが、米ウォルト・ディズニーが11月12日にスタートさせる動画配信サービス「ディズニープラス」です。ディズニーといえば映画制作や配給のほか、テレビ局、スポーツなど多数の映像コンテンツ会社を傘下に持つ総合メディア企業とかです。

 もう一つは、米アップルの「Apple TV+」。こちらは11月1日からスタートすると発表しています。

 米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」では、早速次のような記事を掲載しています。

●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>【バロンズ】ネットフリックス他5銘柄の正念場 決算発表前後に株価が劇的に動く銘柄

 記事では前四半期の決算発表で「加入者純増数が市場の予想に届かず、株価は1日で10%下落した」ことを挙げています。つまり、競争激化の影響で、将来的に業績が低迷する可能性があることを、株価はすでに示しつつあるのです。

 そのため、10月16日に発表される第三四半期の業績は米金融大手のバンクオブアメリカ・メリルリンチが「運命を左右する決算」と呼んでいることを伝えています。