1位文京区、2位武蔵野市、3位千代田区
学力偏差値ベスト5を公開

 まずは、教育環境力を見定めるうえで、学力と関係のありそうな指標を探すことにした。そもそも東京都では年に1度、基礎学力の定着度合いを測るため、都内公立小学校の5年生を対象にした大規模の学力テストを行っている。2018年度の対象は1283校、全9万人以上に及ぶ全数調査である。

 残念ながら個別小学校のデータは開示されていないが今回、われわれは自治体別の平均正答率を都への情報開示請求によって入手した。国語、算数、理科、社会の4科目だ(ただし対象は、一部の町村地域を除く49の区・市である)。

 国語と算数の平均正答率に基づく「学力偏差値」(2教科の平均偏差値)を算出したところ、同じ公立小学校といえども、自治体によって明らかに差があることがわかった。ここで、その上位をランキング形式で紹介しよう。

学力偏差値ベスト5

順位 学力偏差値 自治体 国語正答率 算数正答率
1位 72.7 文京区 76.1% 66.3%
2位 68.1 武蔵野市 74.4% 63.4%
3位 65.5 千代田区 72.7% 62.6%
4位 64.5 中央区 71.6% 62.8%
5位 62.8 目黒区 72.3% 60.1%
東京都「児童・生徒の学力向上を図るための調査」(2018年度)を基に作成。詳細は特集ページを参照のこと

 学力偏差値でトップとなったのが偏差値72.7の文京区だ。国語の正答率は76.1%、算数の正答率も66.3%で、いずれも東京都の平均(国語66.5%、算数53.8%)を大きく上回った。

 文京区は、国立筑波大学や国立お茶の水女子大学などの付属校や有名私立校があり、古くから文教地区としても有名だ。公立学校であっても、誠之小学校を筆頭に、ブランド小学校が存在する。子どもの受験に熱心な親も多い。実際、公立小学校の卒業生の進路をみると、児童の45.3%が国立か私立に進学していることがわかる。この「私立・国立進学率」は都内トップである。

 ランキング2位は、偏差値68.1の武蔵野市だ。ここには、4路線あり都心にアクセスがしやすい吉祥寺駅がある。さらに、井の頭公園などに代表されるように自然豊かな土地でもあるため、近年は各種「住みたい街ランキング」でトップのブランドの高い街だ。

 そのため、地方からも含めて高学歴の家庭が移り住むケースが多い。実際、国勢調査のデータを調べると、大学や大学院を卒業した「四大卒比率」が全体の34.7%に及ぶ。これは自治体の中でも都内1位であり、それだけ高学歴の親が多く住んでいる地域であるのだ。

 3位が千代田区(偏差値65.5)、4位が中央区(同64.5)、5位が目黒区(同62.8)と続く。これらの地域はいずれも、私立・国立進学率も四大卒比率も高い。ほかにも共通するのは、地価の高い都心の地域であるということだ。

 つまり、学力の高い地域には、高学歴の親が住み、中学受験に熱心であり、そこに住めるだけの高い年収のある世帯がいるとみてよいだろう。どうやら、子どもの学力と親の年収には何らかの関係がありそうだ。