また、21年には茨城県トップ校の水戸第一高校と土浦第一高校が中高一貫校化する。今後、他の地域でもトップ校の中高一貫校化は広まる可能性が高いといえよう。

 日比谷をはじめ、本格的に公立が復権してくれば、「筑駒や筑波大学附属中学校のような国立が厳しくなってくるだろう」とある教育関係者は言う。というのも、元々この2校は全盛期の日比谷の下位に位置しており、先述した通り、日比谷が没落したために実績が上がったという経緯があるからだ。

 そうした中で、興味深いのは、「筑駒の受験者層の一部が小石川に流れている。理数系の教育に定評のある小石川を選んだのではないか」(同)という動きだ。

 かつて教育に定評のあった公立が、今度は3年間ではなく中高一貫校として6年間の教育内容を引っ提げて、中学受験市場に攻勢をかけてくる。無論、そう簡単な話ではないが、20年後には筑駒が没落し公立が復権したとしても、歴史を振り返れば、これもまた必然といえるのかもしれない。