その4:苦手を克服できるゲーム

 好き嫌いの多い子どものために、家庭でできる簡単で効果的なゲームを紹介します。子どもがお腹をすかせているおやつの時間に試してみましょう。

1.子どもに食べさせたい野菜か、子どもが好きではない野菜をひとつ選ぶ。
2.まるごとの野菜を見せて、名前を言い、ふたりでちょっと味見をしてみようと言う。
3.小さく切ったものをふた切れ用意する。自分と子どもにひと切れずつ。
4.まずは自分が食べ、とてもおいしいと言う。
5.子どもにも食べてみるように言う。いやがったら、本当に好きでなければ吐き出していい
と言う。
6.食べたときはたくさんほめ、シールなど食べ物以外のごほうびを与える。
7.子どもが受け入れるようになるまで、15日間を上限として、毎日同じ野菜で同じことを繰り返す。
8.ほかの野菜を選び、また最初から始める。

 繰り返しになりますが、ごほうびには、シールやほめ言葉など食べ物以外のものを用いることが大切です。好物の食べ物をごほうびにしてはいけません。食べ物は空腹を満たすためだけに用いましょう。

その5:食べなくても、気楽に出しつづける

 子どもがあるものを拒んだり、出されたものすべてに手をつけようとしなかったりすると、食事の時間はストレスがたまるかもしれません。これを克服するひとつの方法は、健康的なバランスの取れた食事を用意して、子どもに自分で取り分けさせるか、少なくとも何をどれだけ取り分けるか子どもも交えて決めることです。

 そうすれば子どもにかかるプレッシャーが減り、親も少し気が楽になります。子どもが出されたものをすべて食べなくても、口にするのは健康的なものだとわかっているからです。

 初めての野菜や嫌いな野菜でも、毎日子どものお皿に取り分けましょう。たとえ何日も続けて食べなくても、気にすることはありません。

 そうするうちに子どもは、その野菜に慣れ親しみ(どんな姿で、どんな感触なのか)、やがて試してみる可能性が高くなります。

 何かを食べたり、残さず食べたりするようにプレッシャーをかけないことも、きわめて重要です。子どもによっては、特定のものを食べるように強いられると、ひどく不安になり、やがてその食べ物は不安と結びつきます。期待していた効果(子どもがそれを食べること)が、実際には反対に作用してしまうのです。子どもはそれをもう食べたいと思わなくなり、おそらく将来もそのままになるでしょう。

 子どもの食事については気楽に構えるようにしましょう(時には難しいこともあるかもしれませんが!)。食べたがらないものがあってもかまいません。また日を改めて試し、繰り返し触れる機会を設ければいいのです。

 怒らずにいるのは難しいこともありますが、子どもに食べさせようとあれこれしすぎると、子どもはその食べ物を嫌悪感や葛藤と結びつけるようになります。するとそれらをさらに避けるようになるので、叱ったり、好物を取り上げて罰したりするのはやめましょう。たとえば、「野菜を食べないとデザートをあげません」と言ってはいけません。そんなことをすれば、嫌いなものを食べたくないという気持ちを強めるだけです。

 そもそも、どんな食べ物であろうと、食べるようにプレッシャーをかけることは何の効果もありません。たとえそれが好物であっても同じです。子どもがもう十分食べていたら、そこで終わりにしましょう。食欲が旺盛ではない子は、満腹になっても食べつづけると、ひどく苦しくなり、ストレスになることがあります。