東京モーターショーが開幕した。深刻な“クルマ離れ”への危機感を背景に、主催者である日本自動車工業会(自工会)の会長を務める豊田章男・トヨタ自動車社長は「100万人の入場者を集めるのが目標」と意気込むが、東京モーターショーは甦るのだろうか。(ジャーナリスト 井元康一郎)
中身スカスカだった前回よりはマシ
「100万人の入場者を集めるのが目標」
2年に1度のクルマの祭典、東京モーターショー2019が24日、開幕した。これまでショーの華の役割を担ってきた海外勢が軒並み出展をとりやめるなど、寂しい話題ばかりが先行。それでもほぼ国内メーカーだけでモーターショー開催を強行できるあたりはさすが自動車大国日本というべきだろう。
前回の西川廣人・日産自動車元社長に代わって主催者、日本自動車工業会(自工会)の会長を務める豊田章男・トヨタ自動車社長は「100万人の入場者を集めるのが目標」と、このままモーターショーを終わらせるものかという意気込みを示していた。
背景にあるのは日本における深刻な“クルマ離れ”への危機感だ。
特に若年層のモビリティへの関心が薄れていることが与える自動車業界へのダメージが大きい。業界盟主のトヨタでさえ、「待遇の良さや安定感に魅力を感じてやってくる人材は多いが、自動車の未来を切り拓いてくれるのではないかと期待するような人材にはことごとく逃げられているのが実情」(トヨタ幹部)。