私がこの組織の存在を知ったのも、10月中旬に関東地方を襲った台風19号のときに流れてきた記事がきっかけだった。ウィーチャットを見ていたところ、中国人の友人のひとりが「超級台風互助群」というグループの情報をシェアしていたのをたまたま目にしたのだ。

台風19号のときには日本のメディア情報を中国語で拡散した台風19号のときには日本のメディア情報を中国語で拡散した

 過去最大級といわれる猛烈な台風の最中、日本に住む外国人に適切な情報が届いているのかどうか心配されたが、日本人のSNSと同様、在日中国人のウィーチャットでも台風の進路情報や危険地域、注意事項などが多数シェアされていた。その1つがこちらの画像で、中国語で詳細な情報がひとまとめになっていた。

「台風の最中、一人暮らしで心細かったり、日本語が得意ではなかったりする中国人が困っているのではないかと思い立ち、台風が関東を直撃する前日のお昼ごろに急きょ新しいグループを作成しました」(呉氏)

「(10月)11日に立ち上げましたが、台風が迫ってきた12日のお昼ごろになると、メンバーが約3000人にまで膨れ上がったので、日本語の台風情報を翻訳してSNSに流しました。その情報があちこちに拡散されたことで、より多くの在日中国人の役に立てたようです」(呉氏)

「超級台風互助群」の記事にはコメントがつけられるようになっているが、私が見た記事の読者数は約6000人で、コメント欄には「日本の無事を祈る!」「食料と水を確保しましょう」「困ったときには日本の警察を頼りましょう」などと書かれていた。

 在日中国人の中には、中国に住む家族からの問い合わせや心配の声も多数届いたが、そんなときにも、同グループの情報があることで心強く、状況が的確に判断できたようだ。むろん、日本人の配偶者がいたり、日本のテレビやネットから直接情報を得ていた人も多かったと思うが、中国人同士のコミュニティーからの情報も得ることで、より安心感が増したといえる。

「日本とのつながり」を
もっと重視していきたい

 こうした活動を行う一方で、彼らは今後、「日本とのつながり」をもっと重視していきたいと話す。社団法人化したこともあり、以前から日中友好団体などとの交流の機会も持っているが、台風19号の被災者に対して何かできないかと思い、募金活動を開始した。