中国語でシェアされた台風に関する情報中国語でシェアされた台風に関する情報

「中国人が多い東京・池袋や埼玉県川口市の中華料理店に募金箱を置かせてもらったり、グループチャットなどでも募金を呼び掛けたりしており、募金のための専用口座も設けました。また、『華人時代』として長野市に義援金を送金することになりました」(会員の佐藤雅之氏)。

 中国の老舗の中国料理店であり、東京・池袋に支店がある「東来順」とも協力し、「華人時代」に一定の義援金を出した人は、同店で使えるクーポンを発行するという新しい試みも行った。呉氏によると、在日中国系企業も何か日本で社会貢献を行いたいという意思があり、目的が一致したという。

「在日中国人の多くは日本が好きで日本にやってきて、日本に愛着の気持ちを持っています。だから、中国人だけで集まるのではなく、もっと日本人と交流したり、日本社会に貢献したいと思っています。台風の被害は残念な出来事でしたが、こうしたことをきっかけに、在日中国人がもっと日本社会を理解できればいいし、お互いにもっと協力し合えることがあればいいと思います」と呉氏は話す。

 私は以前、中国や日本に住む中国人の有志が熊本の大震災の際に寄付したことをこちらの記事(ダイヤモンド・オンライン「熊本地震に中国人の反応がかつてなく同情的な理由」)で紹介したことがあったが、あれから3年がたち、日本の中にはさらに数多くの中国人コミュニティーが出来上がり、それぞれがネットでつながり、その年齢層、職業はますます多様化してきている。

料理会は会員にとって楽しみなイベントのひとつ料理会は会員にとって楽しみなイベントのひとつ

 日本人が気づかないうちに大きな変貌を遂げている在日中国人社会――。その人口は、冒頭で記したように約76万人に達し、一都道府県と同じだけの規模になっており、日本社会にもさまざまな方面で影響を与え始めている。

 一定以上の年齢の日本人が思い浮かべる“中国人像”は今もステレオタイプのままで昔とあまり変わらないが、現実はすでに様変わりしている。20~30代の若い世代を中心に、日本社会に溶け込もうとする中国の若者世代がこれほど能動的に動き、日本に熱い関心を寄せているのだ。