大学の夜間部や通信制なら、生活保護のもとでも大学に進学することができる。しかし大学夜間部はこの30年間で激減しており、専攻できる分野も減少している。

「選択の幅が狭められ、したいことはできなくなるでしょうね。教育の機会が、今すでに不平等なのに、さらに拡大されるわけですよね」(ミサトさん)

教育にお金がかかり過ぎる
貧困が連鎖していく

 そして現在の日本では、少子化が問題になり続けている。子どもが3人いて、全員が大学進学するとすれば、英語民間試験の費用も3人分かかるということになる。その余裕がない親は、子どもの誰かに「諦めて」と言わざるを得ないかもしれない。

「まず、高校教育の費用は無償にしてほしいです。そうしないと、高校以降の教育を受けられない子どもが生まれ続け、貧困家庭は貧困を連鎖させるしかなくなります」(ミサトさん)

 同様に、「日本では教育を受けるのにお金がかかりすぎて。これでは学びが制限されますね」と語るのは、働き続けながら子どもを育ててきたシングルマザーのフユコさん(仮名・50代)だ。公立の進学校に通っていたフユコさんの子どもは、現在、台湾の国立大学に在学している。

 日本の大学入試制度にも、大学生活にも大学教育の内容にも、数多くの課題がある。大きな背景の1つは、「新卒一括採用」をはじめとする日本の慣習だ。いっそ、入試を含めて日本の大学に見切りをつけることは、1つの選択肢かもしれない。