東京モーターショーPhoto:Diamond

東京モーターショーに危機感を持った
豊田章男自工会会長

「東京モーターショーが変わる!」とのキャッチフレーズで始まった「第46回東京モーターショー2019」が11月4日まで、東京・有明エリアからお台場エリアまで会場を拡大して開催中だ。2年に1回開催されるこの東京モーターショーが今回、「モビリティの可能性をアピールして、変えなくちゃ」(主催者の豊田章男日本自動車工業会会長=トヨタ自動車社長)と、大胆なモデルチェンジにチャレンジしたのだ。

「じり貧の東京モーターショー」といわれ、海外メーカーの出展も減るばかりで、過去ピーク時の1991年には200万人以上の来場者を数えたこの東京モーターショーも、2年前の前回は77万人にまで減少した。世界五大モーターショーの1つに位置づけられ、国際モーターショーとして世界から注視されてきたが、その存在意義が問われるほどの大きな曲がり角にきていたのは確かだ。

 誰よりもこの東京モーターショーの行方に危機感を持ったのがトヨタ自動車社長である豊田章男自工会会長だった。

 ショー開催に先立つ会見では「デジタルが発達し、単にクルマを展示するスタイル・販売の手法としてのモーターショーは、米CESのような生活全体が見えわかるような方向が必要。東京モーターショーもモデルチェンジしないと、じり貧のまま終焉(しゅうえん)を告げることになる。今までのやり方を踏襲していたのではダメ。どうしたら来てもらえるのか、柔軟に考えていく」と、モデルチェンジを宣言したのだ。