メタボも治る!
テストステロンのすごい威力

テストステロン低下が原因でメタボリック症候群になった患者さんもいらっしゃいます。ある50代の患者さんですが、メタボだと診察されて、糖尿病の指標値であるHbalcが8.5(通常は6.0未満が目安)と高く、関連したデータの数値もよくない。医者に「もっと運動をしなさい」と言われるけれど、どうにも運動する気力がわかない、という方がいました。

私のところに来たときは、「運動どころか、仕事もヤル気がしません。私はもうおしまいです」と、すっかり元気も自信も無くしていたのです。

多くの医師は気軽に「運動しなさい」と言いますが、気力が萎えているときにそんなこと言われても、なかなか腰を上げられず、それでまた落ち込むという悪循環になりがちです。まずは、運動しようという意欲がわいてくるだけの元気をつけなればいけないのです。

その患者さんは、フリーテストステロン値など詳細な検査で、男性更年期障害だとわかり、テストステロンを補充する治療法を行いました(治療法について詳しくは本書6章参照)。

下記の図の変化に注目してください。この図は『熊本式質問紙』と健康関連のQOL(Quality of Life=生活の質:生きる上での満足度を表す)の尺度を計る検査であるSF-36 ®から算出、個人的に図式化したものです。

初診時とテストステロン補充治療後を比較すると、図の円が大きくなっているのがわかるはずです。丸くきれいな円になれば『花丸』で、非常に体調が回復し、健康度満点ということになります。

彼は運動する気も出てきて、ジムに通い、トレーニングをするようになりました。たるんでいた身体は筋肉質にみごと変身。図の下の写真は患者さんがご自身でこんなに元気になったのを、ぜひ多くの人に知ってほしいと私に送ってきたものです。テストステロンを補充したことで、人生が明るく、楽しいものに変わったのです。 

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