モノレールに魅せられた
ウォルト・ディズニー

 同じ頃、西ドイツで開発が進んでいたのが、現代のモノレールの技術的ベースとなった「アルヴェーグ式」モノレールであった。こちらは鉄桁にぶら下がるのではなく、コンクリート桁を跨ぐように走ることから「跨座(こざ)式」と呼ばれる。アルヴェーグ式もゴムタイヤを採用しており、乗り心地の向上と騒音の低減、さらに急勾配に対応できるなど、都市で使うのに適した特徴を持っていた。

 しかし、その特性以上に未来的なフォルムに魅了されたのが、かのウォルト・ディズニーであった。1955年にカリフォルニア州にオープンしたディズニーランドの園内移動手段を探していた彼は、1958年にアルヴェーグ式モノレールの実験線を訪れた。ディズニーは誰よりもモノレールに興味を示し、採用を決断すると、早速1959年に開業させてしまった。モノレールの未来的で非日常的なイメージの構築には、ディズニーが一役買っているといっても過言ではないだろう。

 日本でも1964年、アルヴェーグ式を採用した「東京モノレール」が開業、空港アクセス路線として実績を示したことで、モノレール開発が本格化する。1970年の大阪万博では、アルヴェーグ式を改良した「日本跨座式」の、全長4.3キロの環状線が登場した。

 日本の使用実態に合わせて改良した日本跨座式は高い評価を受け、各地のモノレール整備計画が盛り上がっていく。こうして、博覧会、上野動物園、オリンピック、万博を経て、ようやくモノレールは「日常」の乗り物として定着していくのである。

 1980~2000年代にかけて開業した、北九州モノレール、大阪モノレール、多摩都市モノレール、ディズニーリゾートライン、そしてゆいレールは日本跨座式を採用しており、その後は韓国・大邱や中国・重慶など海外にも進出している。

 上野動物園モノレールの運行は終わってしまったが、11月24日まで(動物園の休園日を除く)上野動物園「東園駅」で「40形」車両の展示が行われている。日本モノレール史の小さくとも偉大なる最初の一歩を目に焼き付けておきたい方はぜひ、訪れてみてほしい。