角膜を削らず
レンズを取り外せる

 レーシックの場合、クリニックによっては10万円を切るプランもあるが、ICLの相場は両目50万~70万円と、かなり高価だ。

「視力矯正手術は保険適用外の自由診療であるため、各クリニックによって設定価格はまちまちで、術後検診の回数などの条件も異なってきます。ICLは術前検査をもとに適切な度数やサイズのレンズをオーダーメイドで作るため、レンズ代がやや高価となっています。さらに、レンズが出来上がるまで約1ヵ月近くかかるため、『思い立ったらすぐ手術』というわけにはいきません」

 ICLは元来、強度近視に対する手術として発展してきたが、その安全性・有効性の高さから、最近は中等度近視にも適用が広がっているそうだ。手術によって同じ1.5の視力が出たとしても、レーシックよりも見え方の質が良い。さらに、角膜を削らないことによるメリットもある。

「角膜をレーザーで削ると、創傷治癒反応(傷口を治そうとする働き)で少し近視が戻るリバウンドの可能性がありますが、ICLではほとんど起こりません。さらに、ドライアイの人がレーシックを受けた場合、角膜を削ることで神経がダメージを受け、ドライアイが悪化するおそれがあります。ICLを受けることでドライアイが治るわけではありませんが、悪化することもないので、ドライアイ向きといえます」

 レンズメーカーの推奨するICLの適用年齢は21~45歳で、過去1年間の視力が安定していることが手術を受けるための条件だ。「永久コンタクトレンズ」とも呼ばれているICLは、ずっと目に入れたままで構わないが、万が一、目にトラブルが起きたときには取り外すことができる。

「この可逆性という要素は、患者さんにとって大きな安心材料になります。年を重ねれば誰しも白内障になりますが、白内障手術の際に目からICLレンズを取り出し、白内障手術用のレンズを入れることも可能です。どちらも『レンズを入れる』という術式に共通点があるため、白内障手術に長けた医師がICLライセンスを取得する傾向にありますね」