有利な住宅ローンは、ネット銀行ばかりではない!

 著書『いますぐに、住宅ローンを借り換えしなさい!』では、メガバンクや地方銀行、信用金庫、JA(農協)、ろうきん、などのうち、魅力的な金利水準で貸し出しを行っているところをたくさん紹介しておきました。 

  住宅ローンの金利は、金融機関によって異なりますが、貸し出し競争などの状況も適用金利に反映されますので、地域によってもかなりの格差が生じています。
  金利水準が低いのは、首都圏を初め、北海道、新潟県、長野県、愛知県、京都府、中国地方の一部、愛媛県、南九州、などです。これらの地域にマイホームがある人や、金利水準が低い他の都道府県の地方銀行の支店が近くにある場合は、大きな金利低下メリットを受けることができるでしょう。

  たとえば、著書でも紹介した山陰地方のC銀行では、「フラット35Sエコ」(借り換えでは利用できない)よりも有利な条件の段階金利型ローンを取り扱っています
  このローンは固定金利型の一種で、当初10年間などの適用金利とその後の適用金利は異なりますが、借入当初にすでに決まっていますので、将来的な金利変動リスクはありません。
  残念ながら東京支店ではダメなようですが、本店所在地の某県などに加えて、中国地方や関西の支店では利用することが可能な場合もあります。

 前回お伝えした「フラット35」についても、愛媛県のD銀行が「最も低い金利設定&融資事務手数料無料」という、N0.1のフラット35を取り扱っていて、銀行との今後の取引条件次第では、本店所在地の県だけでなく、四国各県に加えて、大阪、広島、岡山、大分の各支店で貸し出しを行っています(東京支店のみ取扱いを停止しているということです)。

 あと、東京都の多くの区と市にマイホームがある人が、変動金利型で借り換えたい場合には、他の金融機関よりも、神奈川県に本店のあるE銀行を利用したほうが金利水準が低くなっていますし、全国的に見ても、信用金庫や信用組合、JA(農協)、地方銀行の一部では、融資担当者との交渉によって最優遇金利よりもさらに低い金利で貸りられるケースがあります。

  また、愛知県のF農協(営業地域内にマイホームがあれば、農家の人以外も利用可)の「10年固定」は、当初10年間の適用金利が「1.0%」ですし、群馬県のG農協などの段階金利型ローンでは当初15年間の金利が1.8%で、16年目以降が2.3%(保証料が別途必要)となっています(金利はいずれも2012年7月時点のもの)。
  後者の場合は、7月のフラット35(適用金利は1.94%だが、融資事務手数料や団信特約料を含めた実質金利は2.44%前後)よりも有利な条件設定です。

 借り換えに当たっては、とにかく広範囲に情報を集めることが重要なポイントになるでしょう。


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◆浅井秀一『いますぐに、住宅ローンを借り換えしなさい!』
「ゆとり返済」の危険性に最も早く警鐘を鳴らし、かつての「繰り上げ返済・借り換えブーム」の仕掛け人となった、ファイナンシャル・プランナー・浅井秀一が、緊急出版。住宅ローン金利が史上最低水準になったいま、「最大の借り換えチャンス」ともいうべき状況がやってきていると著者は主張します。諸費用をほぼすべて含めて借り換えしても、固定金利どうしの場合、いま返済している住宅ローンより実質金利が「0.3%程度」以上低ければ、大きな借り換え効果が確定するでしょう。住宅ローンを借りているすべての方に読んでいただきたい一冊です。

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