過半数の店が「将来は24時間を続けられるか不明」と回答
ファミマ48%が「時短を検討」との乖離

 複数のSEJ関係者によると、開示されなかった回答のうち、全体の50%強が、「現時点で時短営業を検討していないが、将来はどうするかわからない」という趣旨の回答をしていたのだという。国内の過半数の加盟店が、この先も24時間営業を続けられるかどうか確信を持てないでいるのだ。

 今後、人手不足がますます深刻化することを考えれば納得のいく結果だ。ところがSEJは、時短営業を検討している店舗は15%という数字だけを強調しており、こちらの回答については公表していないのである。

 業界2位のファミリーマートが6月に実施したアンケートでは、全体の48.3%に当たる7039店が時短営業を「検討したい」と回答。アンケートの設問によって答え方が変わる可能性はあるが、「SEJとの差が大きすぎる」と業界関係者の間で指摘されていた。

 SEJは表向き、時短営業を認める姿勢を表明しているが、その本気度を疑う加盟店オーナーは多い。

 なぜなら、SEJの永松文彦社長が4月の就任当初から、時短営業について「個店別に柔軟に対応する」と述べたにもかかわらず、現場では本部社員による“時短潰し”が横行。時短を希望する加盟店に対し、深夜に従業員を店に置かなければ特定の商品の納入を止めるなどの条件を突き付け、時短営業を断念させようとする動きがあった。

ガイドライン発表直前にも“時短潰し”
「無人閉店認めない」と10月に説明した社員も

 あるセブン-イレブンの加盟店オーナーは、「本部社員から『深夜の閉店中も従業員を置かないと、時短営業を認めないのが会社の方針だ』と10月になってから言われた」と取材に対して語っている。

 SEJは加盟店に対して、時短営業を始めるための「ガイドライン」を11月1日に公表。深夜に無人の店舗でも、商品が入った保冷ケースを配送ドライバーが納入できる仕組みを取り入れる方針を打ち出した。あるSEJ幹部は、「社長の方針で時短営業を可能にするガイドラインを出したのだから、本部社員による時短潰しは起きない」と主張する。