「会社を辞めたら10kgも痩せたよ。やっぱりあの生活はよくなかったよね」
久しぶりにお会いしたHさん(49歳)が口にした“あの生活”とは、試食続きだった食品会社での日々のこと。「1日に数えきれないほどケーキを食べた」というような毎日で、体重増加を避けるのは困難だったと思います。決して勤めていた会社がブラック企業だったわけではありませんが、Hさんは大事なポジションに就いていたので、最終ジャッジ者としての試食を避けられない状況にありました。
仕事でたくさん食べないといけない。しかし、太りたくないからといって他の食事を抜いていたら、体を壊してしまっていたでしょう。その後、Hさんは50代に突入する直前にご縁があって新しい職場へと移られ、冒頭のような健康的な生活を送れるようになりました。
Hさんのように、すぐに転職というわけにはいかないかもしれません。しかし今、多くの企業で働き方が大きく変わろうとしています。これは生活を変えるチャンスでもあります。最近では、「働き方改革」をきっかけに私生活も健康的になったという声をよく聞くようになりました。働く自分を支えるのは、健康な心と体。今回は、働き方を変えることで健康が促進された良い事例をご紹介していきたいと思います。
仕事以外の時間ができたことで
家事を頑張りすぎてしまう人も…
近年増えてきたリモートワークやフレックスの良い面として、自分のための時間を作りやすくなった、ということがあります。
それによって、「平日にジムに行ける余裕ができた」という方も。男性の場合は、体を鍛え始めたことで食事を見直すスイッチが入ることもあるようで、食生活への意識が高まる方が多くいらっしゃいます。
はじめは、プロテイン飲料を飲むようになった、ランチでサラダとサラダチキンを必ず買うようになった、というささいな変化かもしれませんが「おなかが満たされればなんでもいいや」で済ませていたランチと比べると、随分ランクアップしているように感じます。
一方、ワーキングマザーの方は余裕ができた時間を有効活用しておかずの作り置きなどに精を出される、というケースも。私は、こうした方に「頑張りすぎないようにしてくださいね」と声をかけることも少なくありません。というのも、「疲れがとれない」と皆さん口をそろえておっしゃるからです。