自分の両親と妻が、どうも折り合いが良くない。そんな嫁姑事情に悩んだことはないだろうか。同じ現場でも視点が違うと捉え方が違うもの。「嫁」である「妻」側の話を聞いて、打開策を考えてみたい。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)
変わっていく嫁と姑
嫁姑問題を過去のものにすべく
嫁姑と聞けば泥沼化した戦争が自然と連想されていたのも今は昔、現代の嫁姑の関係は全体的にはだいぶ改善されてきているようである。家・家族のあり方や女性の社会的位置付けなどが変わり、それにつれてかそれと並行してか、嫁姑の泥沼戦争も減ってきた。
だが、嫁姑問題を「過去のもの」とするには早すぎる。何しろ現在進行形でその問題を抱えている家族もある。嫁と姑当人たちもそのことが念頭にあるためか警戒意識は高く、各人が平穏を保とうと努力しているようである。
こうした緊張感の中、妻は結婚すると夫の実家(舅と姑)と付き合っていかねばならない。もちろん舅と姑も妻(嫁)に対して同様の緊張感を抱えている。彼らの抱える心労は彼ら自身の問題のようにも思えるが、夫(息子)は当事者ではないように見えて、実は彼らの仲立ちとして機能できるただ一人のキーパーソンでもある。