「FACTORY TOUR」(工場見学)
能作:高岡で400年にわたって受け継がれてきた「鋳造の作業工程」をガイド(能作の社員が担当)がご案内します。
能作の工場見学は「1日に5回」開催され、参加費は無料です。
――え? 無料なんですか! なにゆえに?
能作:無料で実施しているのは、「伝統産業の素晴らしさを知ってもらう」ことが、この取り組みの第一義であり、「工場見学で儲けよう」とは思っていないからです。
見学人数にかかわらず、必ずガイドがついて、約1時間かけて工場の案内を行います。
――それはすごい。
無料だからといって、手をぬくことは一切ありません。
「無料でも、とことん、おもてなしをする」のが僕らのスタンスです。
――それはなかなかできない!
能作:参加費という形で直接的な利益をいただくことはありませんが、見学後に、「FACTORY SHOP」で商品を購入するお客様が増えたり、お客様からいただいた生の声が次の取り組み(次の商品開発)のヒントにつながったりするため、間接的な恩恵(利益の源泉)をいただいています。また、ショップやカフェなどの売上も、産業観光としての収益です(鋳物製作体験は材料費が必要なので有料にしています。1000~4000円)。
――なるほど。賢い仕組みですね。
能作:見学者は、作業現場に足を踏み入れて、職人の仕事を間近に見ることができるため、におい、音、温度を「五感」で感じることができます。
砂に水や粘土を混ぜ、押し固めて成型する「生型鋳造法」の作業工程、金属を型に流し込む鋳込みの作業、仕上げの加工作業などを職人と同じ環境、目線で見ることができます。
――だから子どもにも親にも大人気なのですね。
能作:また、社屋に入ってすぐのエントランスには、創業100年を記念した2016年のプロジェクト「100の花器そろり」で、高岡の100人の職人(同業他社を含む)がそれぞれの技術で製作した花器「そろり」を100本展示しています。能作の技術だけではなく、高岡のさまざまな職人の伝統の技をご覧いただけます。
――これは正面玄関に入ったときにたまげましたね。あと、鋳物体験ができるんですよね。