さらに高額療養費の自己負担は、70歳になると限度額が下がるため、同じ乳がんの手術を受けてもかかる治療費は私よりも格段に少ない。義母の場合、メイン治療にかかったお金は5万円弱となった。

 70歳以上の高額療養費の自己負担限度額は、図(2)の通り。

 義両親は国民年金だけの自営業夫婦のため、所得区分は「非課税世帯II」に該当する。外来は月8000円、入院はその月の外来と合わせて2万4600円。義母は月末に入院し、月初に退院したので、2万4600円の上限は超えたが、それでも負担は少ない。

 義父の前立腺がんは、治療コースが「月に1回の注射とホルモン剤服用」であり、手術も当面不要とのことで、1カ月の負担は8000円程度だ。

現役世代が高額な薬を長期間服用すると
家計に大きなダメージが!

 義母は先月GISTというがんの手術を受け、今回もまた月をまたいで1週間入院したが、退院時に病院で支払ったのは約4万円。「限度額適用認定証」という書類をあらかじめ病院に提示してあったため、高額療養費の限度額だけの支払いで済んだ。限度額適用認定証を提示すると、限度額だけの支払いで済むことに加え、あとで払い戻し申請をしなくて済むメリットもある。

 限度額適用認定証は、年齢にかかわらず発行されるもので、加入の健康保険から入手する。自己負担額が高額療養費の限度額を超えそうなときは、病院に提示すると便利と覚えておこう。

 義母は70歳以上の高額療養費の限度額になるし、年金収入が少ないので、約4万円の自己負担となったが、これが現役世代の「ウ 一般所得者」なら最終的な自己負担額は、約10万円だ。月をまたいだとすると、14万円前後となる。

 今後は再発予防のための抗がん剤を3~5年服用することになる。グリベックという分子標的薬で、白血病の治療薬で知られている高価な薬。少し調べてみると、1錠2200円くらいする。白血病の治療なら、1日2~3錠服用するようだが、義母は再発予防なので、1錠になるのか2錠になるのかは、まだわからない。また、ジェネリック(後発薬)であれば、1錠800円くらいなので、主治医がジェネリックでOKといえば、薬代は安く済む。

 いずれにせよ、義母の場合、1カ月の外来での自己負担額は8000円(図2参照)のため、今後服用する薬代の自己負担はその範囲内で済むだろう。

 しかし、現役世代が白血病や骨肉腫の治療としてグリベックを服用するとなると、負担は格段に重くなる。薬代の自己負担は、高額療養費の限度額を超えるため、最初の3カ月は月9万円弱、4カ月目からは限度額が引き下がり4万4000円だ。がんの増殖を抑えるために飲み続ける薬なので、服用は長期間にわたる。年間50万円以上も薬代にかかるのは、家計にとって大きな出費になるだろう。