片づけの始め方には
さまざまな誤解がある
「まずは引き出し1段から始めてみましょう」という片づけのアドバイス。みなさんもどこかで一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
整理収納をやろうと決意し、さてどこから始めようかと考えたとき、そうやって小さな範囲からスタートした経験がある方も少なくないかもしれません。
ですがその片づけ、うまくいきましたか?
私自身、これはかなりグレーなアドバイスだと思っています。
範囲を小さく区切って片づけをやり切る。そのことで得られる達成感は確かにモチベーションアップにつながります。ただし、あっという間にリバウンドすれば、その達成感は「やるだけムダだった」という徒労感に塗り替えられます。1カ所だけスッキリさせたところで、これをどれだけ積み重ねれば家全体がスッキリするのだろうと、途方に暮れてしまうケースもあるでしょう。
一体なぜうまくいかないのか。これは、そもそも「引き出しの中にあるものを減らす→きれいに納めなおす→スッキリと片づいた状態をキープする」という、多くの人が考えがちな片づけのフロー自体に誤解があるからです。
さあ、片づけるぞ!と引き出しをひっくり返す前に、まずは失敗しない「片づけの考え方と段取り」を知ってください。
挫折・リバウンドしやすい
片づけの思考パターンとは
以下は、先ほど紹介した多くの人が考えがちな片づけのフローを説明した図です。
このように、今の状態からできることを積み重ねていく考え方を「積み上げ思考」と言います。これまでたくさんのご家庭で整理収納のサポートに携わってみて「片づけは、積み上げ思考だとうまくいかない場合が多い」というのが私の実感です。