このように「失敗まんだら」では、第一段階として失敗の原因を10種類に分類している。このような知見をもとに、過去の失敗を直視して振り返る。そして失敗の原因を正しく見極め、組織の上位者はそこからしっかりと学ぶことが、間違った意思決定をしないために重要である。

失敗をなかったことにする組織に
ならないためには

 失敗を失敗として認め、常識や判断の軸を含めて検証・反省して対処する。そうすれば会議のやり方も、専門家の選び方も、調査検討の方法も変わってくるだろう。いろいろできることはあるはずだ。

 ただし、失敗を失敗としてまともに認識しないようになってしまうと、もう歯止めは効かない。この場合はどうしようもない。偉い人の決定による大失敗を“なかったこと”にする組織も散見される。調査委員会もなく、検証もされず、資料もなく……そういう組織では、永遠に失敗は起こり続けるだろう。
 
※参考資料
失敗知識データベースの構造と表現(「失敗まんだら」解説)

(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)