そして、「個人」に起因する要因だ。これは5つ挙げられている。

“無知” すでに失敗の予防策と解決法があるのに、それが受け継がれていない。本人のみがそれを知らない。人がどんどん変わる職場ではよくこの問題が発生する。

“不注意” 言葉通りである。うっかりミス、チェック漏れなど。疲労や体調不良で注意力が低下している状態もある。

“手順の不遵守” 規則が徹底されていなかった、行うべき連絡をしていなかったなど。

“誤判断” 狭い視野、誤った理解、間違った認知、状況に対する誤判断。そもそもの認識を誤った場合と、認識はあっていたが、それについての判断を間違った(判断軸が間違っていた)場合がある。

“調査・検討の不足” 決定に至るまでに、十分な検討や調査をしなかった。優秀な決定者であれば、自己判断が間違うことまでを事前に想定して対応策を配慮するものなのだ。

 最後に、組織に起因するものとしては3つ。

“企画不良” 企画や計画そのものに問題がある失敗。企画が前任者や上司の発案によるものであったりする場合。

“価値観不良” 異文化の理解ができていないこと、組織文化不良(不正が発覚しない)、安全意識不良(利益第一で、安全をないがしろにする)も価値観不良といえる。異文化については、ドルチェ&ガッバーナの広告の中国人表現が引き金になった大規模な中国での不買運動が顕著な例だろう。

“組織運営不良” 組織自体が、きちんと物事を進めるようになっていないために起こる失敗。トップや上司には、そのような組織運営を修正してきちんと機能させるべき責任があるが、その点を見逃したり、認識できないまま問題を大きくしたりするケース。