大株主の考えを想像する

 大株主をチェックすることで、株価の値動きを想像することもできます。

 たとえば、社長以下経営陣が大株主であれば、少なくともその会社の業績が伸びている間は、自社株が売られる可能性が低いと考えられます。逆に大株主の経営陣が自社株を売りはじめたら、株価下落を警戒したほうがいいということです。

 ところが、「投資ファンド」が大株主となれば、また話は違ってきます。

 投資ファンドは、投資先の企業価値を高めて株を売却し、その売買差益を得ることを大きな目的としています。

 そのため、一時的に株価が急騰したタイミングや投資ファンドの決算前で大きく売られる可能性は十分にあります。

 その投資ファンドの持ち株分だけ、株価が下がるリスクがあるということです。

 一方、大株主にマスコミや広告代理店の名前があれば、商品・サービスの宣伝に積極的に動いてくれるかもしれません。

 特許などを多く持つメーカーなどが大株主の場合は、保有する特許や技術をいい条件で提供してくれるかもしれません。

 大企業で役員を務めた経験がある個人が大株主であれば、その企業と技術面や販売面での提携を進めるパイプ役になってくれるかもしれません。

 前述のようにIR(投資家向け広報)の担当役員が大株主であれば、株価の上昇を意識した積極的なIR情報が頻繁に更新されるかもしれません。

 このように大株主がどんな会社(個人)で、どんな考え方をして、どんなことができそうかをチェックすることで、その会社が将来どんな方向に進むのかを想像することができます。

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<次回へ続く>