インターンシップが
若手社員を鍛える場に
ここ数年、就活生の間で人気が高まっているのがコンサルティング会社だ。外資系のコンサル会社を中心にかなり早い時期から優秀な人材の獲得に動いているといわれている。中には100人単位で新卒を採用しているところもある。
シンクタンク系のコンサル会社である三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、そうした大量採用とは一線を画し、約30人という厳選採用を実施している。
同社では当初、インターンシップは学生に対するPRという意味合いが大きかった。しかし実際にやってみると、参加者の中から結果的に入社する学生が出てくるようになり、18年あたりからより採用を意識するようになったという。
同社では大きく二つの職種がある。一つはシンクタンク部門、もう一つはコンサル部門だ。シンクタンク部門のインターンシップは5日間で、実際に動いているプロジェクトに入ってもらい、顧客のところに同行してヒアリングを一緒に行ったりするなど、かなり実務に近い体験ができる。コンサル部門は19年は3日間のプログラムで、コンサルタントの一連の仕事を疑似体験してもらうプログラムになっている。どちらのインターンシップも、1日1万円の報酬が支払われる。
同社ではインターンシップの副次的な効果も実感している。「若手のコンサルタントにとっては、学生をまとめて模擬体験をすることによって、仕事の指示の仕方やまとめ方の良い経験になり、成長につながっている」(名藤大樹コンサルティング人材開発室長)。
インターンシップを明確に採用選考プロセスの一つに組み込んでいるのがユニリーバ・ジャパンだ。同社では17年から通年採用を実施しており、大きく夏、冬、春と年3回に分けて選考を行っている。インターンシップは夏の選考過程に組み込まれており、約1カ月間、自らが希望して応募した部署で実際の業務に就くことができる。選考プロセスの一環のため、報酬はない。
インターンシップが組み込まれた夏の選考プロセスは次の通りだ。まずウェブ登録してゲーム選考を受ける。12個の簡単なゲームをオンラインで行うのだが、応募者の特性が分かるようになっている。その次がデジタル面接。ユニリーバが独自に考えた質問への回答を動画で撮影して提出する。そこを通過すると人事面接で、ケーススタディーに合格して初めてインターンシップへの参加が可能となる。その次は実際の仕事に近い課題に取り組む「ディスカバリーセンター」のプロセスとなり、ここを通過して役員との最終面接となる。
ユニークなのは、ディスカバリーセンターで合格してから最終面接まで最長で2年の猶予があること。例えば最終面接の前に1年間留学するといったことも可能だ。
インターンシップは、自分と企業の相性を知る絶好の機会だ。ぜひうまく活用してほしい。