みんなでやるのは楽しい

“この本”は<br />書店員の誇りに賭けて<br />2019年一番の本です!寺田庸二(てらだ・ようじ)
担当書籍は『哲学と宗教全史』『ザ・コピーライティング』『志麻さんのプレミアムな作りおき』『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『第一人者が明かす光触媒のすべて』『1坪の奇跡』など。『社員15倍!見学者300倍!踊る町工場』で処女作21作連続重版へ挑戦中。生涯142冊、重版率8割。野球歴14年。技術と精神がドライブがかった本を、孫の世代まで残る本を、光のあたらないところに光があたる本を。

――僕が、百々さんはすごいなあと思ったのは、現場のスタッフの方々をインスパイアして「巻き込む力」です。
スタッフの熱い心に火をつける
“チャッカマン的リーダー”
業界でも少ないのではないでしょうか?

百々 どうなんでしょうね。
したいことをみんなでやるのは
すごい楽しいだけ
ですよ。

――いいですね。ある種、部活の延長線上の雰囲気。

百々 僕は昔、嫌なヤツだったんですよ。

――そうなんですか。今はまったく見えませんよ。

百々 チームの中に、ヘタくそなヤツがいて負ける団体スポーツが許せなかった。だから、部活は個人競技ばかりやっていたんです。

――意外ですね。そこからどうやって、今のような現場を巻き込むキャプテン的存在になったのですか。

百々 それは自分だけで成果を挙げても、あまり嬉しくないことに気づいたから。昔はよかったのですが、
みんなで分かち合う勝利のほうが
絶対面白い。

みんなで一つのプロジェクトが成功したとき、
「みんながいたからこそ」
といえたら最高
じゃないですか。ずっと昔からそういう憧れがあったのは間違いないですね。

――それはいつぐらいからですか。

百々 高校を卒業する前に部活をやめてから。たかだか十何年の人生を振り返ったとき、そう思ったんです。

――そんな早い段階で! 50周年を迎えた伝統ある紀伊國屋書店梅田本店での勤務はもう何年くらいになりますか。

百々 行ったりきたりして、梅田本店に戻ってきたのは2009年くらいですかね。

――ありがとうございます。つづきはまた次回、お話を聞かせてください。
これまでの『哲学と宗教全史』の連載ダイジェストはこちらをご覧いただければと思います。