「厳粛な評価」こそ成長を生む
彼は、やるべきことができているかどうかという「事実ベース」で部下を厳格に評価し、「SS」「S」「A」「B」「C」の5段階をつけました。
一方で、彼は毎日、社員、パートの区別なく「おはようございます」「疲れてない?」と声をかけて回りました。相談ごとには相手が誰であろうが真剣に話を聞き、困っているときはわけ隔てなく助けました。
2年後、その営業所はどうなったか。どんなに厳しく査定しても「B評価」「C評価」の人間がいなくなるまでに、働く人たちが育ったのです。
厳粛な評価が下されることで、評価のいいメンバーは「これからもがんばろう」と奮起し、評価の悪いメンバーは「自分の何が足りないかが明確になり、しっかりとがんばれば自分も評価してもらえるんだ。だからがんばろう」と奮起する。
メンバー全員のモチベーションが高まり、評価の悪かったメンバーは着々と必要なスキルを身につけていく。その歩みが、チーム全体の成長へとつながったのでした。
「好き嫌い」や「相性」といった、リーダーの偏った視点で比較せず、求められる「働き」という事実で評価する。
事実をもとに公平に評価し、ともに働く仲間としては、毎日ひとりひとりにわけ隔てなく平等にあいさつや声かけを行うのです。
繰り返しますが、「平等」に評価する必要はありません。
公平、かつ厳粛に部下を「比較」してください。それがリーダーであるあなたの大切な仕事です。