短期的予算計画の延長と長期的見通し。事業計画の2側面

朝倉:プロダクト・マーケット・フィットやユニットエコノミクスが確立していなかったとしても、「大体こんな感じになるのではないかな?」という認識がある程度持てるようになるタイミングが適しているのかもしれませんね。

村上:全くプロダクト・マーケット・フィットが成立していないのに、TAM(Total Addressable Market)だけで事業計画を作っているパターンも見聞きします。ですが、その前にまずは、予算繰りを含めた短期間の計画・目標を立てられるようになっていることが必要でしょうね。

前提として、事業計画は短期的な予算計画の延長線上の側面と、長期的なTAMの見通しの側面があることを認識することです。この2つが合致したタイミングが、事業計画の整合性が担保される時なのではないでしょうか。

朝倉:その点では、トップラインの伸びは予測できないにしても、コスト計画はどのフェーズでも読みがあるはずですからね。

村上:トップラインの成長が見えていなかったとしても、「これだけトップラインを伸ばしたい」という目標を定めれば、それに伴って採用やパイプライン、ローンチの目標などが見えてくるはずです。このように、目標値を設定し、予算化が見えてきて、数年後の予算はどうなるのかという議論ができるような段階が、事業計画作成に適したタイミングなんじゃないでしょうか。