試験当日は脳だけでなく体のコンディションも大事になります。おなかの調子まで考えるともっと長くかかることもありますが、だいたい2週間と考えてよいと思います。

安浪:受験生の親御さんたちは3カ月前くらいからがんばる方が多いのですが、2週間ぐらいでよいというのは心強いですね。脳によい起こし方もあるのですか?

枝川:起きた瞬間の気分は一日引きずりますから、ぜひやさしく起こしてあげてください(笑)。眠りのサイクルでいうと、浅い睡眠で目覚めるのがいちばんスッキリ目覚めやすい。起こすときは体を軽くゆするなどして、深い睡眠から徐々に浅い睡眠にもっていってあげるといいと思います。浅い睡眠になると、まぶたの下で目が動きますから、そのタイミングでカーテンを開けて、部屋の中を明るくするのもいいですね。目覚ましの音よりも、光の情報のほうが脳の覚醒には強く効くんです。それから試験当日などの大事な日の前日は、寝る前に「○時に起きる」と子ども自身が宣言して眠るのもよい方法です。本人に起きようとする気持ちがあると、脳はその時間にきちんと目覚めるようになっているんです。

安浪:次に集中力についてお聞きしたいのですが、集中できる時間って脳からするとどのくらいでしょう?

枝川:集中力が続く時間は20~30分といわれています。ですから、30分一本勝負くらいが勉強の効率としてはいいと思います。

安浪:集中する時間と休憩時間のとり方にもコツがありますか?

枝川:ハウツーテクニックとしては「ポモドーロテクニック」というものがあります。ポモドーロはイタリア語でトマトのことですが、それとは関係なくて、発案した人が時間管理にトマト形のキッチンタイマーを使っていたからついただけだといわれています(笑)。それによると25分集中して5分休憩するパターンが最適とされています。休憩を含めてトータル30分ということですね。

 ただこれも大人を対象にしているので、子どもだと25分の集中がもたない子もいるでしょう。子どもの場合は、集中力が切れたら気分転換すると考えてもらえばいいと思います。集中できる時間が短い子は休憩を多めに入れてあげればいいですし。このときの注意点は、気分転換にスマホをいじったり、ゲームをしたりするのはNGということです。気分転換にはなるけれど、脳は働きっぱなしになりますから脳の休憩にはならないんですね。