これに対してフジテレビは、視聴率が伸び悩んでいるため、スポンサーからの広告収入が減っています。収入が減れば、番組制作費を削らざるを得ません。
番組制作費を削ると番組のクオリティが低下し、さらに視聴率が伸び悩むという負のスパイラルに陥っているのが今のフジテレビです。
日本テレビとフジテレビの番組制作費の推移を見てみると、日本テレビは、毎年一定の番組制作費を維持していますが、フジテレビは年々減少しています。下記の画像を見てください。
視聴率の高いテレビ局と低いテレビ局の差が、如実に表れています。
売上高は?
しかしながら、メディア・コンテンツ事業全体の「売上高」で比較すると、フジ・メディア・ホールディングスのほうが大きいのです。下記の画像を見てください。
フジ・メディア・ホールディングスのメディア事業には、ビーエスフジ、ニッポン放送、ポニーキャニオン、ディノス・セシールなど、地上波テレビ以外の各種メディアによる売上が多数あり、それらが寄り集まってメディア・コンテンツ事業を構成しています。
メディアの総合力としては、いまだフジ・メディア・ホールディングスのほうが大きいといえます。とはいえ、もっとも利益を生み出しやすい地上波テレビが不調なため、売上規模が大きい割には、営業利益は少額です。営業利益では日本テレビホールディングスのほうが上なのです。次回記事では、厳しい状況に置かれているように見えるフジテレビの意外な実態について、お話しします。