これは、実はビジネスの世界でも同じです。たとえば、大きな会社で出世していく人というのは大体、ウマかパンダに分類できます。つまり「とても役に立つ人」か、「偉い人にすごくかわいがられる人」であることが多いのです。みなさんの会社でもそうではないでしょうか?

 このように、動物界の戦略論は、ビジネスの世界でも参考になる点がたくさんあります。その中でも私が当時、とても「面白い存在だなぁ」と思っていたのは、圧倒的にウサギでした。

「危険察知能力」が組織の生存確率を高める

 ウサギというのは体が弱く、視力もとても悪いと言われています。絶食状態で耐えられる期間もきわめて短い(らしい)。一時期、日本ではウサギブームはあったものの、ネコやイヌの人気とは次元が違います。

 では、なぜウサギは生存することができたのか? 不思議ではないでしょうか。

 調べれば調べるほど、実は生殖機能が高いなど、その理由はいくつもあります。その中でも身体的な特徴として挙げられるのが、「耳と鼻がいいこと」。ウサギは、視力が弱い分、耳と鼻がよく、危険を事前に察知することができたこと。

 つまり、ウサギの生存戦略とは「異常なまでの危険察知能力の高さ」であり、結果的に、やばい敵と戦わない戦略を取れたのです。