待望の新刊、『OPENNESS  職場の「空気」が結果を決める』が発売5日目に重版し、3万部を突破。著作の合計部数も30万部を超えた北野唯我氏。いま、人材マーケット最注目の論客であり、実務家だ。
その北野氏が、今回選んだテーマは、「組織」。「ウチの会社、何かがおかしい?」という誰もが一度は抱いたことがある疑問を科学的、構造的に分析し、鮮やかに答えを出している。
なぜ、あなたの職場は今日も息苦しいのか。具体的に、何をすれば「オープネスが高い」組織がつくれるのか。明日、少しでも楽しく出社するために、一人ひとりができることは何か。本連載では、これらの疑問について、独自の理論とデータから解説する。

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 私はその日、家でゴロゴロしながらあるテーマについて考えていました。

 そのテーマとは「動物の生存戦略」についてです。

 中でも、とくに「ウサギの生存戦略」が気になっていました。具体的には「ウサギってなんで生き残ってこられたのだろうか?」ということです。

 私は普段からよく生物界のことを妄想し、そのアナロジー(類推)を使って、ビジネスの世界を理解しようとするクセがあります。そして、たまたまその時期は「動物の生存戦略」についてよく考えていました。具体的には、「それぞれの動物たちがどうやって生き残ってきたか」を考察しようとしていたのです(動機は単純な知的好奇心からです!)。

 言わずもがなですが、現代社会はものすごい勢いで生物の種が消えていると言われています。ある説によると、1年で数千から数万種がなくなっているとの数字もあり、その中で「生き残っている種」には、それなりの理由があり、いくつかのパターンがあるように思えたのです。つまり、動物の「生存戦略」が知りたかったのです!

パンダの生き残り戦略は「かわいい」

 すべての生存戦略のパターンを紹介することは本旨からずれるので、2つだけ紹介します。

 1つは、「とにかく人間の役に立つパターン」というのがあります。これは、ウマやヒツジ、ウシなどを想像すればわかりやすいですが、彼らはとにかく人間の役に立つ能力があります。ウマはモノや人を運び、ヒツジやウシは食料になりました。つまり彼らは、人間という強い種の役に立つことで生き残ってきたのです。

 もう1つ、「かわいいから生き残っているパターン」というのもあります。これはパンダやネコが最もわかりやすいと思います。

 パンダがなぜ、絶滅を危惧されながら種としてギリギリ残っているかというと、「(人間から見て)圧倒的にかわいい」からです。彼らは正直、食事の効率がめちゃくちゃ悪いし、大して役には立ちません。それでも生き残れるのは、人間という強い種にかわいがられ、保護され、結果、外交や観光に使われているからでしょう。つまり、端的に言うと「めちゃくちゃかわいいから生き残っている」のです。