検査が行えるようになれば
全容が見えてくる

――春節(中国の旧正月)に入り、中国から多くの訪日客が見込まれます。日本の対応はどうなっているのでしょうか。

 空港ではサーモグラフィーで監視するなど水際対策が取られており、ある程度は有効かもしれません。しかしながら、2例目のように日本到着後に発症するケースも起こり得るので、国内でも一定数患者が増えることを見越した上での対策が必要です。

 1月23日には、各都道府県の衛生研究所に試剤が配られ、サーベイランスのための検査体制が整いました。今までできなかった検査ができるようになることで、患者は一時的には増えることが予想されますが、国民の皆様には、冷静に受け止めていただきたいと思います。

 検査が行えるようになれば、今起きていることの全容が見えてきます。時間がたてば、一つひとつの事例が、具体的にはどうであったかという情報も集まり、病気そのものがどんな顔をしているのかもはっきりします。致命率や合併症の中身、割合なども、これからわかってくることです。

 ただし、検査にはそれなりに時間がかかります。日本で使われているのはPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応)といって、患者さんから採取した遺伝子を増幅させて調べる手法なのですが、インフルエンザの検査のように、スピーディーに結果がわかるものではありません。また、各都道府県の衛生研究所で検査できる数は限られています。

 検査法ができたのでインフルエンザの検査のようにどんどん検査できると思われがちですが、決してそんなことはないのです。

――検査は衛生研究所以外では受けられないんですか。

 そうですね、一般の医療機関では受けられません。まずは近所の医療機関を受診して、新型肺炎の疑いがあるとなったら、診察した医師が保健所に相談します。そこで、医師と保健所と、場合によっては都道府県や厚生労働省の担当者とも相談した上で、検査をするかどうかを決めます。