決算説明会資料
決算説明会資料とは、決算短信や有価証券報告書の内容を、スライドでわかりやすく説明した資料です。多くの上場企業が、決算説明会資料を毎期作成し、決算ごとの説明会で、この資料を使って投資家向けの説明を行っています。通常は、企業のIRページに載っており、誰でも無料で閲覧可能です。
専門知識がなくてもスムーズに理解できるように、グラフや図、写真などを多用しているため、企業の全体像を把握するのに役立ちます。
ただし、決算説明会資料を見る際は注意が必要です。なぜかというと、「決算説明会資料に何を載せるかは、会社が自由に決めていい」からです。記載内容が明確に決まっている決算短信や有価証券報告書とは、決定的に異なります。
記載内容が自由なので、会社にとって都合の悪い情報は載せなくてもいいのです。よい印象を持ってもらいたいがために、都合のよい情報を誇張して載せていることもよくあります。
決算説明会資料だけを見てしまうと、変なバイアスがかけられて、間違った分析結果を引き起こしてしまう可能性があります。したがって、決算説明会資料はあくまで補足情報としてとらえ、基本的には決算短信や有価証券報告書で分析することをお勧めします。下の図を見てください。
この図は、ある有名企業のIRページに載っていた図です。売上が順調に増えているように見えますが、実は売上高は増えているどころか、逆に減っています。印象操作で売上規模が拡大しているように見せているのです。これは極端かもしれませんが、実際にこういうことができてしまうのが、決算説明会資料の怖いところです。