米経済はエアポケットに突入した。ボーイングのせいだ。1つの企業が経済成長に重大な影響を及ぼしかねない状況は時々ある。今回はそれが全米トップの輸出企業、ボーイングということだ。同社は1月、運航停止中の小型旅客機「737MAX」の生産を停止した。そのため上半期の米国内総生産(GDP)は減りそうだとエコノミストらはみている。ボーイングの危機が始まったのは昨年3月のこと。2度の墜落にソフトウエアの不具合が関係していたため、当局が737MAXの運航中止を航空会社に命じた。先月まで経済的影響は最小限だった。ボーイングは売り上げこそ落ち込んでいたが、シアトルに近い自社工場でペースを落として生産を続けていた。受注残が4500機あった。