ロワール

中世の美しい町並みが残るル・マン
中世の美しい町並みが残るル・マン

 フランスのなかで、最もフランスらしいと言われるのがロワール地方です。パリのような都会ではありませんが、森林の奥に古城が見える風景は、のどかなフランスを描いた絵画のような美しさから「フランスの庭」と呼ばれています。

 ロワール地方の冬は寒さが厳しく、春から夏にかけても夜は冷え込みます。長袖の羽織れる洋服を持っていくといいでしょう。

●トゥール
 ルイ11世が統治した15世紀にフランスの首都であったトゥールは、ロワール地方のほぼ中心に位置しています。旧市街には織物工業で繁栄していた15世紀の町並みの面影が残っています。世界遺産に登録(2000年、2017年)されたロワール川流域の渓谷には王侯貴族が建設した古城が残され、この町は古城観光の起点となります。

 トゥールを代表する観光スポットは、サン・ガシアン大聖堂。13世紀に着工し、16世紀に完成。数世紀にわたって建設されたため、聖堂の部位によって建築様式が異なるところがあります。

●ル・マン
自動車競技の「24時間耐久レース」で知られるル・マンは、人口約15万人を抱える商工業都市です。自動車会社の工場やサーキットなどモータースポーツ関連の施設が多く、同じくサーキットがある日本の鈴鹿市と友好都市関係を築いています。

 クルマ好き、レース好き垂涎のコレクションが展示される自動車博物館は、最もル・マンらしい観光スポットと言えます。

アルザス、ロレーヌ、シャンパーニュ

アルザス地方で見られる伝統的な木骨組み住宅
アルザス地方で見られる伝統的な木骨組み住宅

 ドイツとの国境に面するのがアルザス地方、その内側にロレーヌ、シャンパーニュ地方があります。ドイツの影響が色濃いエリアで、特にアルザス地方では現在でも木骨組みの住宅が見られ、ドイツ・フランス両国の間で揺れた歴史を感じることができます。

 ロレーヌ地方は古くから鉄鉱石が多く産出されたことでドイツと争いが起きたこともあります。フランス帝国とプロイセン王国の間で行われた普仏戦争で1871年にフランス帝国が敗れると、約50年にわたりロレーヌ地方はドイツ領となっていました。

ストラスブール
 ヨーロッパの交通の要衝として栄えた歴史があり、現在では欧州議会、欧州人権委員会の本部が設置されています。世界遺産に登録(1988年、2017年)された旧市街の中でも、「プティット・フランス」と呼ばれるエリアでは、木骨組みと漆喰で構成されたアルザス地方独特の家並みを見ることができます。

 町のランドマークはノートルダム大聖堂です。1本尖塔の高さは142mにもなり、中世に造られたものとしては最高。展望台に上がるとストラスブールの美しい町並みはもちろん、ボージュ山脈やドイツの黒い森を見ることもできます。

●ランス
 数あるフランスの町のなかでも格式が高く、かつてはランスのノートルダム大聖堂(世界遺産1991年登録)での戴冠式が正式なフランス王の条件として挙げられていたほど。ランスが位置するシャンパーニュ地方は、「シャンパン」の語源ともなったエリアです。ランスのブドウ畑やセラーは2015年に世界文化遺産にも登録されており、ぜひ見学しておきたいスポットです。

●コルマール
 ドイツとの国境近くにありながら戦災を免れ、石畳の路地や中世からルネッサンス時代の古い町並みを楽しめます。アルザスワインの産地としても知られ、コルマール発のワイン街道ツアーも評判。観光の中心は旧市街。花で飾られたアルザス風の木骨組み住宅が並び、絵本の中に入り込んだかのような体験ができます。