コンビニ搾取の連鎖#11Photo by Toshiaki Usami

コンビニ加盟店の利益を、全社員の賞与を決めるKPI(重要業績評価指標)に設定したローソン。特集『コンビニ搾取の連鎖』(全12回)の#11では、ローソンの竹増貞信社長に話を聞いた。既存店売上高を本部の目標に据えてきた弊害を反省。店利益をKPIに定める狙いを語った。(聞き手/ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

旧来のやり方に引きずられていたことを反省
ローソンは加盟店利益をKPIにする

──経済産業省の有識者会議「新たなコンビニのあり方検討会」の報告書が2月10日にまとまりました。

 約1年前、他チェーンですが、関西方面で声が上がってから、コンビニが抱える問題を社会課題として捉えられるようになった。その一方で、日本の社会にとってコンビニ網は重要な存在であり、将来どう生かしていくのか、という言葉も頂きました。責任とともに、それだけ重いものを背負い加盟店と共に歩んでいるんだということを改めて実感しました。これまで、オーナーと近い存在で頑張ってきたと考えていた。しかしそのことが本当か、考えさせられた1年でした。

 社会の価値観の変化に、付いていくことができていたのか。このことを振り返ると、やはり、われわれはずれていたと感じます。1970年代から始まったコンビニの旧来のやり方に引きずられていました。大きな反省です。有識者会議の報告書をどう受け止め、実行できるか。ここからが新しいスタートです。