就職人気ランキングで常に上位に位置するのが総合商社だ。中でも「五大商社」は高収入エリートの象徴であるが、彼らにはどのような出世の法則があるのか。(ダイヤモンド編集部・重石岳史)
総合商社のトップ人事には、かつて幾つかの不文律があった。
その一つが駐在地だ。世界中を飛び回る商社マンにとって海外転勤は日常茶飯事だが、財閥系の三菱商事や住友商事で社長への登竜門とされてきたのが米国駐在だ。
三菱商事の場合、1992~98年に社長を務めた槇原稔氏は米ハーバード大学卒で、米政財界の人脈が豊富な社内きっての米国通だった。後任の佐々木幹夫氏、その後任の小島順彦氏も社長就任以前に米国駐在を経験している。
ところが、2010年に社長に就任した小林健氏以降、その不文律は崩れた。