カプセルPhoto:PIXTA

SARS当時より相互依存深く
地政学的な影響も大きい

 新型コロナウイルスの感染拡大は一刻も早く止めなければいけない深刻な課題だが、この感染症の拡大がもたらした地政学的影響も大きい。

 第一にSARSが感染拡大した2003年に比べ中国と各国の相互依存関係は圧倒的に拡大し、世界経済に与える衝撃はSARSの時とは比べ物にならないほど大きい。

 報道によればWHOが緊急事態宣言を発表した1月30日以降、中国に就航する国際線の便数は67%減少、この影響で累計240万人の往来が途絶えたという。 中国から日本への旅行客も大幅に減少し、観光業や消費市場に与えた影響も甚大だ。

 いつ感染が終焉するかにもよるが、工場の稼働停止や生産停滞が長引けば、中国経済だけでなく、日本の製造業も、部品供給を含め深刻な影響を被るだろう。

 だが問題はそれだけでない。中国共産党の統治の「欠陥」にも焦点が当たり始めている。