有給休暇の取得は個人の自由
強制されたら労基署に相談を

 一方、感染しているわけではなく、会社からも自宅待機の指示がないのに、従業員が自主的に休む場合は、勤務先の休業手当や傷病手当金の対象にはならない。このケースでは、年次有給休暇を使ったり、就業規則で私傷病休暇や病気休暇が定められていれば、それを利用して対応したりすることになる(私傷病休暇や病気休暇は法定外休暇で、会社ごとに定める特別休暇。給与の有無も企業によって異なる)。

 ただし、年次有給休暇をどのように使うかは、原則的に労働者の自由で、新型コロナウイルス対策として、会社側が従業員に強制的に取らせることはできない。もしも強制された場合は、最寄りの労働基準監督署に相談しよう。

 2月27日夕方、官邸主導で行われた突然の一斉休校の首相要請は社会に大きな混乱を招き、各所から批判の声が上がっている。今回は、ウイルスの脅威そのものよりも、社会の混乱に振り回されている人も多いのでないだろうか。

 そうした混乱のなかでは、自分にとって本当に必要な情報を見逃す可能性も高くなる。国の対応のスピードが遅いと感じている人もいると思うが、この間に感染した人や労働者の休業補償制度も徐々に整いつつある。

 不安や怒りに任せて適切な情報を見逃してしまうと、感染の拡大を助け、結果的に自分や大切な人の健康を奪うことにもなりかねない。

 万一、発熱や風邪の症状が出た場合はどのタイミングで受診すればいいのか。休業中の所得を補償してくれる制度にはどんなものがあるのか。正しい情報を見極めて、自分の健康と暮らしを守るために適切な選択をしたい。

(フリーライター 早川幸子)

参考サイト:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」(令和2年3月5日版)