かくのごとく、忙しい会社で忙しく働いている人にとってはにわかには信じがたいような生産性ゼロの会話が行われ、その人たちにそれなりの給料が払われている。その人たちにとって会社は、とても楽で居心地がよい場ともいえる。

 しかしながら、これらおじさんたちも元々そうだったわけではなく、かつては実績を挙げて、バリバリと日々額に汗して活躍していた時期もあるのだ。残念なことに顧客が求める価値の変化に応じた価値を当人が持っておらず、一方でそういった価値を獲得するための学習を怠ったため、会社に彼らの使い道がなく仕事が与えられず、暇を持て余しているのである。

 このような人たちは、今さらどうすることもできない。もう諦めよう。そのかわり、自分もこのままいくと同じような人になる可能性のある予備軍の人に問いたい。いまの会社に居続けて大丈夫かと。

無駄話をするおじさんは
将来のあなたの姿

 あと5年くらいであれば、逃げ切れるかもしれない。10年は無理だろう。

 40代は確実に無理だ。そこで、自分が会社の中心となり、このような暇な人を作り出す会社の構造を変えるべく立ち上がるという選択肢はある。しかし、果たしてあなた自身にそれだけの気力と能力があるか。

 30代の人ならどうか。こんな暇人たちを苦々しく思いながらも、そのお守りをしながら、これからも仕事をやっていくのか。

 特に行動しないまま過ごすと、暇なおじさんの今の姿は将来のあなたの姿である。どこかで何かを変えなければならない。
 
 経営コンサルタントの大前研一氏は、自分を変えようと思うときにどうすればよいかと聞かれた際、あちこちでおおよそ下記のようなことを答えている。

(1)「時間配分」を変える
(2)「住む場所」を変える
(3)「付き合う人」を変える

 自分を取り巻いている環境そのものを変え、それぞれの環境への依存度の割合を変えることを勧めている。気持ちを新たにするだけでは何も生まれないというのだ。けだし名言である。そして、この3つをすべて一度に変えることのできることこそが、転職である。