ここへ来て
脆弱性高まる韓国経済

 新型肺炎が世界経済を混乱させていることも、韓国経済の下方リスクを高めている。重要なことは、韓国が中国をはじめ海外経済の変化を受けやすいことだ。

 近年、個人消費を中心とする米国の緩やかな景気回復が世界経済を支えた。また、米国を中心に世界的な低金利環境が続き、投資家は先行きを楽観しリスクをとってきた。世界各国の企業、家計、政府の資金繰りの安定や、中国などの債務問題のリスク上昇の抑制にとって、それは重要だった。低金利環境は、北朝鮮問題という地政学リスクを抱える韓国が経済全体での資金繰りを確保するためにも欠かせない要素の一つだ。

 サプライチェーンの面でも、米中は相互に依存度を強めてきた。アップルは世界各国から優秀な部品を調達した。中国にあるフォックスコンの工場でiPhoneなどの組み立てが行われ、世界に輸出することでアップルは成長を実現した。それが、SNSなどの需要創出にも貢献した。中国の安価な労働力、需要を取り込むことで各国企業の収益も増えた。

 サムスン電子の半導体やスマートフォン事業の収益が増え、韓国経済が持ち直した背景には、米中を中心とする世界経済の緩やかな回復があった。これが、韓国が海外の要素に大きく依存していると考える主な理由の一つだ。5G関連の需要に関しても、米中などで本格的にサービスが開始され、それがサムスン電子の業績底入れ期待を高めた。

 しかし、新型肺炎は、不安定ながらも何とか安定を保ってきた米中をはじめ世界経済を震撼させ始めた。中国では、生産、消費、信用創造が大きく収縮し始めている。それが、非製造業を中心に中小企業を直撃している。

 1月末から2月上旬に北京大学と清華大学が約1000の中小企業を対象に行ったアンケート調査では、85%が3カ月以上は資金繰りが持たないと回答したと報じられている。2月、中国国家統計局が発表したPMI(購買担当者景況感指数)は大幅に50を下回り、製造業よりも非製造業の景況感がより大きく悪化してしまった。中国にモノを輸出し景気を落ち着かせてきた韓国は、一段と不安定かつ不確実な環境を迎えている。

韓国に迫る
経済混乱のリスク

 今後の展開を考えた時、生産、消費、輸出、資金調達をはじめとする経済活動の全般において、韓国がかなりの混乱に直面する可能性は軽視できない。