家賃はどうやって決まるか
「職住近接」ニーズが高まる

 家賃は都心へのアクセスの良さで決まる。都心とはオフィスがある場所を指す。オフィス床面積は都心3区(丸の内などがある千代田区、銀座がある中央区、六本木がある港区)に集中しており、51%と全体の半分を占めている。さらに渋谷駅のある渋谷区と西新宿がある新宿区を加えた都心5区で見ると、その割合は全体の3分の2になる。

 現在、ビルの建て替えや駅前再開発などが多いが、大規模なものはほぼすべて建て替えになるので、この立地の偏り傾向は今後も変わらない。

 都区部に引っ越す理由の最たるものは、仕事がそこにあるからだ。働くことができないならば、学力の高さを生かすこともできないし、家賃を負担することもできない。有効求人倍率は常に都市部が地方を上回り、人手不足は都市部で起こりやすい。今の東京都の有効求人倍率はおおよそ2倍で、異常なほどの人手不足である。

 東京にしかない仕事も多い。金融業界で国際的な仕事をしようと思ったら、東京でやるしかない。その上、都市部ほど給与水準は高い。同じ能力の人でも場所によってもらえる給料が違うのだ。その分、費用のかかり方も地方より都市部の方が大きいから、バランスは取れていることになる。

 そうなると、住居費負担が許す限り、職場に近いところに住みたいという「職住近接」ニーズが強くなってくる。そのトレンドの背景には、世帯人員の縮小がある。

 都区部の世帯人員はすでに2人を切っており、戦後一貫して下がり続けている。今後も下がり続けるだろう。単身世帯が最も多く、世帯が小さくなると、通勤時間を短くしたいというニーズが強くなる。