新型コロナウイルスの感染拡大が始まって2カ月。中国では依然、数千万人の市民が隔離されており、経済活動の多くが停止状態のままだ。しかし、感染の震源地である武漢のような場所でも、スーパーマーケットから食料や日用品が消えることはあまりなかった。このことは新型ウイルス危機では、社会秩序を維持する上で重要な役割を果たしている。中国は店舗の在庫を確保するため、買いだめや便乗値上げを禁止。京東商城(JDドットコム)やウォルマートなど民間企業は、通常なら市場に出回らないような商品を確保した。中国政府がマスクの製造加速を指示すると、医療品メーカーは賃金を積み増して休日返上で従業員を稼働させた。当局が価格つり上げを禁止すると、企業は急激な値上がりをチェックし、不正に価格をつり上げていた店主との取引を打ち切るか、商品の補充強化に向けた方策を探った。
中国のパニック買い対策、なぜ品薄回避できたか
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