そして、模倣が上手にできるかどうかは、運動神経に関係があります。というのも、目や耳から入った情報をもとに、自分が思った通りに体や口を動かせるかどうかは、運動神経の働きにかかわってくるからです。ですから、運動が得意な人は英会話も得意だということは、けっして不思議なことではありません。つまり、運動能力と模倣力とは関係しているといってよいでしょう。

 逆にいえば、アスリートでない人であっても、模倣のトレーニングをすれば、英会話が上手になる可能性が高いということは想像できます。たとえば、サッカーやスキー、ダンスのように、体を動かすことで模倣力が高まり、英語の習得にもいい影響を与えるのではないかということです。

 ここで大事なのは、受け身の立場でただスポーツ中継を見ているのではなく、自分自身も体を動かすことです。ビデオでもインターネットでもいいので、上手な人の体の動かし方や使い方を真似てみましょう。それによって、脳の模倣力がアップしていくはずです。もちろん、義務感でやるのではなく、あくまでも趣味の一つとして楽しくやることが重要です。

英語学習を“習慣化”させるポイントとは

 書店に行くと、1週間で英語ができる、1カ月でペラペラになれるといった本を見かけますが、にわかには信じがたく思っています。脳のしくみから考えても、そんなに短期間に身につくことは考えられません。それができるのは、過去にある程度のレベルまでいった人でしょう。

 また、寝ているあいだに英語が上手になる睡眠学習という手軽な勉強法もあるようですが、どれだけ効果があるのかは疑問です。睡眠時には脳は外からの情報を必ずしも適切に受け入れる状態になっていないと考えられているからです。残念ながら、ラクに英語を身につける方法というのはそうそうないと考えられます。

 そんなことを書くと、「つらいのなら、やっぱりやめた」と言う人が出てくるかもしれませんが、ちょっと待ってください。ラクはできないけれども、つらさを感じることなく上達することはできます。

 その一つが、英語を習慣化することです。私たちは、日常生活でさまざまなことを習慣化していますが、英語をその一つに組み込んでしまえばいいのです。たとえば、朝の歯磨きや洗面は、ほとんどの人が習慣化していることでしょう。よく考えると、朝のあわただしい時間に面倒な行為ではあります。事実、幼児のころは面倒だと感じたことでしょう。しかし、何年、何十年も毎朝繰り返しているうちに習慣化されて、苦に感じなくなるどころか、それをしなければすっきりしません。

 英語の習得も同じことです。最初は面倒と感じるときもあるかもしれませんが、毎日少しずつ続けていけば、「英語をやらないとすっきりしない」という状態になるはずです。こうなればしめたものです。