業者の見積もりを嫌がる
女性に人気

引越し業界にもシェアリングの波、3~4割安い価格が人気に引っ越しシェアリングサービス『Hi!MOVE』(ハイムーブ)は、申し込みがスマホで完結し、他社に比べて料金が3~4割安い。この低価格と手軽さが評判を呼んでいる

 なぜ引っ越しのシェアリングサービスを始めたのか?ハイムーブを運営する株式会社グライド社長・荒木孝博さんに聞いてみた。

「当社は2014年から引っ越し料金の一括見積りサイトを運営しています。一度に平均5社の見積りを取ることができるので便利ではあったのですが、次第にお客さんから不満の声が聞こえてきたのです。引っ越し会社ごとに電話で応対しなければならないので手間がかかる。正確な料金がすぐにわからない。ただでさえ忙しい時期に時間を取られてしまう、と。そんな折、2018年に引っ越し難民が発生し、メディアで大きく取り上げられました。この問題に貢献できないだろうかと考えた結果、シェアリングという方法に至ったのです」

 引っ越し業界は、長らく画一的なサービスを提供し続け、コモディティ化しているため変化するのが難しい。そのため引っ越し難民が問題化しても、なかなか対応できていない状態だと荒木さんは話す。

「ハイムーブの特徴は、トラックの空きスペースの有効活用(複数ユーザーの荷物を1台で運ぶ)にあります。それだけではなく、トラックの空き時間も活用しています。トラックは1日の稼働時間のうち、何も運んでない「アイドルタイム」がある場合が多いのです。その時間を活用して、当社サービスの配送をしてもらっています」

 こういった工夫の結果、一般的な貸し切り型の引っ越しに比べて料金を3~4割安くすることが可能になったのである。昨年始まったサービスだが、利用者は女性が7割を占めている。女性の場合、荷物の見積り時、配送員が部屋に入って来るのを嫌がるケースが多いからだという。