新型コロナウイルス感染拡大で
オンライン診療の範囲が広がる

 これまでは、かかりつけ医などを定期受診し、病態が安定している場合のみオンライン診療を受けることができた。

 だが、いま、新型コロナウイルス感染が拡大している時期に限って、その利用範囲が拡大されている。

 第一に、かかりつけ医による再診の場合は血圧が不安定だったり、血糖コントロールが不良だったりしていてもオンライン診療で対応できるとされた。この時期は新しい薬が必要な場合も処方してもらえる。ただし、病状の変化がひどい場合は、医師から対面の診察を指示されることもある。

 第二に、患者が希望すれば、診療所やクリニックから調剤薬局へ処方箋をFAXすることで、薬局から自宅へ薬を送ってもらうことができる。この場合は患者が配送料を支払う。変更前と同じように、患者が都合のいいときに、自分で薬を取りに行くこともできる。ただし、患者本人以外が薬を受け取ることはできない。

 第三として、かかりつけ医に新たな症状に対する診察・(薬の)処方を受けること、および、過去に受診歴のある医師に対して新たな症状の診察や処方を受けることも、新型コロナウイルス感染症拡大時期に限って可能とされる方向となった。

 第四として、現在はPCR検査で新型コロナウイルス反応陽性となった場合、全員、入院することになっている。さらに、今後は重症者への医療を確保するため、ウイルス保持者でも症状がない人や軽症者の場合は自宅療養となる方向が示された。この場合、今後、オンライン診療で経過観察を受けることも検討されている。

 このときのために、前述の黒木医師は周囲の協力を仰いで「全国オンライン診療実施医療機関リスト」を作成し、3月27日、一般社団法人日本医療ベンチャー協会のホームページで公開した。

 都道府県別に1247件(4月3日現在)の医療機関名が並んでいる。簡易的に確認したところ、診療科別では内科が圧倒的に多いが、小児科、産科・婦人科、耳鼻咽喉科、皮膚科、アレルギー科、精神科・心療内科等もある。情報は1週間ごとに更新されるという。

オンライン診療の経緯
ユーザー需要とそのメリット

 これまで、IT技術を用いた遠隔医療は医師不足の地域や離島・へき地などの医療体制を補うため、医師間で検査の画像診断や顕微鏡による病理診断等が推進されてきた。