欧州と米国における新型コロナ感染が急激に拡大し始めたころ、中国国内の感染状況は平静化へと向かっていた。
下のグラフの通り、中国の1日での新たな感染者はピーク時で数千人だったが、3月7日には2けたとなり、その後、3月16日までは横ばいを維持した。

だが、3月17日以降は、感染者数が増加に転じ、3月20日には再び100人を突破した。
その最大の理由は、海外からの感染者数の増加だ。感染者の約半数は中国以外の国からの流入で、例えば3月23日を例に取ると、感染者数147人のうち、実に74人が海外からの流入だった。
中国にとって目下最大の課題は、海外からの流入感染を防ぐことだ。
中国の外交部(外務省)が3月26日に発表したデータによると、直近の数日間の海外からの流入症例の内訳は、約90%が中国籍であり、その中の40%が海外留学中の中国人学生だという。
中国に帰国すれば、厳格な隔離措置などを受けることになる。にもかかわらず、中国人留学生たちの帰国ラッシュが起きている。欧米などで感染拡大が続く中、中国のほうが安心だと感じているようだ。