その理由は、新型コロナウイルスは非常に厄介な点があり、感染しても無症状の人もいる。つまり「自分が感染しているか、どうかがわからない」からである。

 もっとも、今、あえて市中を出歩いている人は、単なるリスクテイカーではなく、一定の根拠をもって「疎開」を考えている50〜60代が多いといわれる。

 例えば、その根拠は下記のようなものである。

(1)毎年インフルエンザで万単位の人が死んでいるのに、それほど死者の出ていない新型コロナで大騒ぎしすぎだ。
(2)BCGを接種している国は症状が軽いので、日本も欧米のように大量の死者が出るわけがない。ロックダウンはもちろん、外出自粛など必要ない。
(3)外出を自粛して経済活動をストップさせたら、つぶれる店や企業が大量に出て、失業や収入源でコロナよりも死者が増える。
(Yahooのコメント欄などから)

 今回は一つひとつに詳細に反論する場ではないが、(2)はまだ根拠が明確ではないし、(3)は状況に応じてどう判断し、どういう考え方を持つかという問題であろう。

 そこで、主に(1)について考えたい。

 一見この考えは合理的で、同じことが地方移住や疎開についてもいえる。しかし冷静に考えると、これはかなり危険だ。

 一つには、単純に感染者数だけで、大都市と地方を比較することはできないということだ。確かに東京や大阪の感染者数は多いが、人口10万人当たりでみると、異なった状況が見えてくる。例えば、4月6日のNHKニュースなどによれば、福井県は人口10万人あたりの数が全国で最も多くなっているという。

 これは、母集団になるその地域の人口が少なければ、1つの感染がクラスター化したときの影響が大きいということを示す。

 もっと危険なことは、万が一自分が感染してしまった時だ。さらに、ほかの場所で自分が他人にうつし、クラスター化する可能性もあることだ。